よかろうモン!の名古屋研究生活日記

関東から名古屋にやってきた、平凡な大学教員の日記です。日々の出来事や思ったことを綴っていきます。

学問の多様性に価値はないのか?

先日、夜のニュースで「文科省が、全国の国立大学法人に人文社会科学や教員養成の学部/大学院の縮小や廃止を求める通知を出した」というのを見ました。こういった文系学科には「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換」を求めるそうです。まぁ、少子化や国の厳しい財政状況が背景にあることは明白ですナ。工学とか医学とか、直接に社会の役に立つような学問領域にヒトとカネを集中させようという考えでしょう。
このニュースを見てアテクシが感じたのは、モノゴトには少しの「あそび」が必要で、効率ばっかり追い求めてればいいワケでもないんじゃないかなぁってコト。アテクシ自身は理工系の研究分野で活動しているので、この方向で大学が変化していってもスグに職を失うようなことはないと思う。んでも、国全体で学術研究や高等教育を特定の領域に狭めるというのは、国民の知性や教養の多様性を損なう気がする。多様性のない社会って脆弱になるのでは?って、ちょっと怖く感じたワケです。
そんなことを考えた翌朝。いつも通り朝飯を食べながら、ご存知中日新聞を読んでおりました。そしたら地元ニュースの欄で、名古屋学院大学経済学部の取り組みがかなり好意的に取り上げられていました。なんでも、名古屋市熱田区の名物/名所を、アニメキャラクター化して発信するというプロジェクトを進めているそうです。「ひつまぶし」を「まひつチャン」とかのアニメキャラにするんだとサ。この記事を読んだら、なんか急に大学の文系学科なぞイラネーっていう気がしたっス...。